隠蔽/原子力業界、学者、政府、そしてマスコミ [東北大震災]

24日(木)、11時ごろ、3号機で作業員3名が被爆。

●高濃度の水に足を浸してしまった、とのこと。

発表では、次のように述べられた。
  長靴を履いていれば良かったのに、短靴で作業をしていた。
  後から計ってみたら、空気も水も、大きな放射性濃度を示していた。

  ① 装備: 宇宙服のような、全身をすっぽり覆うような防護服と
         像のお化けのような防護マスク。

      放水を実施した消防庁の人達は、そんな重装備だった。

  ② 状況計測: 何で後から計るのか。

      いつもどおり、作業場の計測はしない・・・・必要ない。
     或いは、
      数値が危険な状態であることを知りながら、作業をさせた。

つまり、こういうことだ。

  東電の社員ではない。
  協力会社、という呼び方の下請け会社の人だ。
     だから、安全配慮義務は無い。

     下請け会社には、契約条項に、そして、作業員にも、
        しっかり、緘口令は敷いてある。
        保証は要求しない、ということも大前提になっている。


●作業場の空気と、足を浸した水が、何故、高濃度の汚染に陥っていたか。

23日夜、10時からのBS11、「IN side OUT」という番組で、
  ゲストの後藤政志氏(元原子炉技術者)が話していた。
  まず、最初のゲスト紹介に際して、自分の専門分野をしっかり主張。
    原子炉容器には、圧力容器と格納容器があるが、
    自分は原子炉格納容器の専門であり、設計に携わっていた、と。

  司会者が3号機の黒煙をどう考えるかと問うた時に、
    格納容器の頭の部分には、蓋がある。
        燃料棒の出し入れをする際に用いる。
    その蓋は、ボルトでしっかり閉じられるが、
    完全に密閉するために、パッキンとしてシリコンのゴムが用いられている。

    圧力容器が高温になり、格納容器内の温度が上がれば、
    このゴムの部分が熱に耐えられなくなる恐れがある。

         上部の蓋の部分だけでなく、
         格納容器内への電気配線の場合も、
         その周囲をシリコンで固めてある。

    黒い煙、ということでは、このシリコンゴムが考えられる。
    確実と言うのでなく、消去法で、これしか考えられない、と言うことだ。

    司会者は、隙間が開いたら放射能が出ますね、と確かめていた。

    高温高圧に耐えるように密閉されているからこそ、
              格納容器が最後の守り、なのである。

    その、パッキンが一部、焼けたり、溶けたりしたら、・・・・。

          放射能は、漏れる!

    そして、今日の作業員の被爆だ。



  ・・・・ 13日に1号機が、14日に3号機が、水蒸気爆発で建屋が破損 ・・・・ そして、

●15日(火)に、地元に屋内退避勧告。  それより先に、保安院が避難。

    参考資料; 首相、福島原発20~30キロ圏住民に屋内退避要請
                              2011/3/15 12:37  日本経済新聞

    参考資料: 原子力保安院職員福島第1原発50km退避
                              16日 原典のTBSの記事は削除とのこと。

    参考資料: 保安院検査官、原発から1週間離れていた
                              読売新聞 3月23日(水)1時34分配信
          戻った2人も、第一ではなく、第二原発である。
          現在、第一原発には、保安院の人間は一人も居ない。

この、原子力安全・保安院 IAEAで醜態。

    参考資料: <福島第1原発>原子力保安院、IAEA会合にお粗末対応
                              毎日新聞 3月22日(火)15時1分配信

        国際会議に日本語の資料を配布するわ、事故と放射線量の因果関係を問われると、
          「因果関係を詳しく把握していない。調査した上で回答する」と述べたという。


●そして、自宅待機になった人達には、生活物資は何も届かない。

      ガソリンを運ぶタンクローリーの運転手も、物資の輸送も、
        これから先は危険だから、と言われて郡山から先には行かない。

    参考資料: 11/03/24 “平成の棄民”を見捨ててはならぬ!◆日刊ゲンダイ
                              日本新党 田中康夫氏の報告

      南相馬市の桜井市長は、連休中、3日続けてNHKの夜9時のニュースに電話で登場。
          物資が届かない、来てくれない、自分たちはどうしたら良いのか。助けて!
      そう叫んでいたが、アナウンサーは、毎夜、頑張ってください、で終わる有様。

        他の報道でも、現地の悲痛な訴えを受けながら、早く届くと良いですね、で終わり。
          現地に出向いた取材担当者も、
             目の前で、ガソリン、灯油、物資が届かない、という訴えを受けても駄目。

      報道機関として政府に掛け合う、とか、問い合わせるとか、何故できないのか。、


    参考資料: 「食料をくれ!」。瓦礫の中の悲痛な叫び。

          食べることも、放射線から身を守ることも、・・・・見捨てられた姿である


●さて、原発の問題がニュースになってから、多くの学者がテレビに姿を現した。
 専門家として、さも頼りになりそうな口調で話す。

  だけど、建屋の水蒸気爆発を、前もって心配した発言をした人が居たか。
       使用済み核燃料の存在と危険性を、前もって説明した人が居たか。
          4号機は、運転していないから安全、という言い方をしていた。

  今まだ、野菜や水道水から放射能が検出されても、健康被害は無い、と言う。


●客観的なデータに基づく判断を、国民にさせようとはしない。

    参考資料: 放射性物質の拡散予測公表せず、批判の声
                              (2011年3月23日01時52分 読売新聞)

        アメリカのスリーマイル島の原発事故のあと文部科学省が開発した。
          地形や気象条件を計算して放射能拡散の予測をするシステム。

        そういうツールを国費を投じて開発しながら、データを公表しない。

          この危機に及んで強い要求が出て、24日に公表。

          結果、半径○○キロ、という避難指示は的外れだったこと。
              風向きによっては、予想以上の遠方にまで影響が及ぶこと。

                 そういう事実が、国民の目にあきらかになった。


●政府の、リーダーシップは元より、
 経営主の東電、監督官庁の保安院、技術者・研究者としての学者、
 そして、情報の担い手として、国民に在りのままの事実を知らせるべきマスコミ。

    みんな、社会の選良としての使命感、というものを全く失ってしまっている。

        東大、東工大、そんが学閥が、国民を欺きながらほくそ笑んでいる。

              今回の原発事件は、人災だ。

              世界も国民も、そう気付き始めている。


    大地震、大津波、地球が問いかけた大問題だ。

    自分たちで造った原発の問題を解決できなくて、自然の大問題に立ち向かえるか!

        勝手にエリートだと思っている人間達が、大きく試されているのである。

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